隣の建物に寄りかかられてしまった場合
カテゴリー:面白不動産 2012年12月19日
嘘のような光景ですが、実在する建物です。
これらの建物は各々が独立した建物なのですが、
さて、
この右から二番目の建物の鑑定評価を依頼された場合、
どのように考えればよいと思いますか?
現況、右から三番目のHOTELが対象不動産に寄りかかってます。
もちろん明らかに越境もしています。
だとすると対象不動産を建て直したいと考えた場合、
敷地境界ギリギリに建物建築が出来ないという状況です。
通常、隣地からの越境がある場合、裁判所はよほどのことがない限り「撤去命令」までは出してくれないと考えるべきです。もちろん「倒壊家屋」なら話は別ですが、原状で用法に支障なく利用されている建築物や造作物は難しいので、通常は念書をとって「建替えるときは越境を解消します」でおしまいということになります。
ちなみに欧州では数百年も建替え無し(笑)で住み続けられてしまいますので、実態的にはこの傾いたホテルはそのまま永続的に存在することになると考える必要があります。
ということで鑑定評価の際には、隣接建物が傾いた状態を所与としての最有効使用建物建設を考えねばなりません。越境敷地分は建ぺい率や容積率対象にもなりません(実効的に占有できていない)ので、その敷地部分はないものとした設計を施す必要があるので、減価して鑑定評価額を決定することになります。
(オランダ アムステルダム)