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「大きくなると安くなる」
--分かれば簡単、不動産の価格--カテゴリー:市場分析 2013年4月14日 記事番号:921
よく不動産屋さんに「この辺りの相場は幾らくらいですかね」というような質問をする方がいらっしゃいます。確かに取引相場と言うのは土地を買ったり売ったりする人にとって重要な情報ですからね。
聞かれた不動産屋さんは、おそらくこんな風に判断することでしょう。
「この人は20坪位の戸建てを買うつもりだから、20坪くらいの取引事例で中心価格帯となっている相場は幾らぐらいかな」と。
もし聞いたお客様が二世帯住宅を建てたいと考えている比較的裕福な方だとすれば、
「この人は60坪以上の大きめの土地を買うつもりだから、60坪前後の取引事例で中心価格帯となっている相場は幾らくらいかな」と考えるでしょう。
ではお客さんがマンションデベロッパーさんだったらどうでしょう。
法人で研修施設を建てたいと思っている方ならどうでしょう。
不動産の価格は他の財と同様に「市場の需要と供給の関係」で決まります。
需要市場はお客様により形成されますので、買いたいお客様が「どれほどお金を出せるか」によって市場相場は決まるのです。
しかもその市場は
「20坪の戸建て用地を求めるお客様」
「60坪の戸建て用地を求めるお客様」
「200坪のマンション用地、研修施設用地を求めるお客様」
各々のお客様で市場を形成する市場参加者が異なるのです。
市場参加者が違えば、中心価格帯が変わります。
おそらく同じ地域の土地でさえも、
20坪の戸建て用地なら、2,000万円から3,000万円くらいで坪単価100万円くらい
60坪の戸建て用地なら、4,000万円から5,000万円くらいで坪単価70万円くらい
200坪のマンション用地なら1億円前後で坪単価50万円くらいになります。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。
それは「総額と単価の関係」と言うものがあるからです。
20坪の土地は総額が低いので、「買い易いから単価が高くなる」
60坪の土地は総額が張るので、「買い難いから単価が下がる」のです。
200坪の土地はそのままではエンドユーザーに売れないから、戸建分譲するなりマンション建設するなりしないと売れないので、そのための業者の先買いリスク(=利潤)を得られるだけの価格でなければ買わないので「単価が下がる」のです。
実際の実例で説明してみましょう。
この図は横浜市の某住宅地域での最近の取引事例を調査したものです。
鑑定評価対象の土地が60坪程度だったので、「60坪の土地の価格」を求めるため多くの事例を収集して整理しました。と言いますのも、この調査を依頼したお客様が不動産屋さんに「20坪の土地の単価」を吹き込まれていたからです。
「どうしてウチの土地は坪50万円(16万円/㎡)なのよ。不動産屋さんは坪70万円(22万円/㎡)て言ってるよ。」と。
だから実際の取引事例でどうなっているのかを示してあげる必要があったのです。
そして理由を説明する必要があったのです。
実はこの関係は直線関係ではないのです。
エンジニアにはなじみのある両対数グラフにプロットすると乗るんですよ。
自然界における「大きさと価値」の関係は、
殆どが両対数グラフで直線になる指数関係なんです。
この傾きは地域によっても用途によっても変わります。
そのうち経済法則も交えてこの関係を証明したいと考えてます。人間社会も自然界の中で営まれているので、
自然界の掟のような規模と価値の指数関係の中で定まっているんですね。
※写真は札幌の雪印パーラーのメニューの一つ
「I am a No.1 (4,200円)」です。
一番上のトッピングのソフトクリームコーンは普通サイズですから、
大きさが分かって頂けるでしょう。一般のパフェの10人前くらいで価格は5倍。
確かに大きくなると単価?は安くなるようで、、、、